2010/07/21
いつものように、人ゴミの消えた商店街に座り込み、ギターを構えて歌いだす。
一番初めに歌う曲は、作りかけの「サクラ」。まだ手直しする部分はたくさんあるけれど、俺の中では気に入っている。
「サクラ」は唯一のオリジナル曲だ。
これからたくさん曲を作っていこうと思ってはいるのだけれど、なかなか頭が働かない。それよりは一つの曲を、完璧に仕上げたいと思っている。
そんな俺の前に、一人の老紳士が陣取った。
ひとしきり俺の「サクラ」を聴いた後、その男はこう言った。「それ、『サクラ』?売れそうにないね・・・」肯定の言葉をもらえるとばかり思っていた俺は、心底傷ついた。もう曲を作ることはできないかもしれない・・・。
エクシオのお見合いパーティーでも、相変わらず迷走している。
本当は格好良く「趣味はギター、そして弾語り!」と言いたいところだけど、なんとなく歯切れが悪くなって、好印象を得ることができない。これならむしろ、趣味などないと言い切った方が、まだマシなぐらいだ。
エクシオのパーティーで話題になるのは、たいてい趣味のこと。
一番あたりさわりがないと考えられているからだろう。でも俺にとって趣味の話題は、あたりさわり大有りだ。将来に関わる。しかもエクシオで相手を探すのに、一番重要なポイントともいえる。なのにその部分をきちんと話せないなんて、俺は本当にどうかしている。分かってはいるけれどもどうすることもできない。
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2010/06/19
誰もいなくなった商店街の片隅で、作りかけの「サクラ」をさわりだけ弾いてみるものの、反響はあまりよくない。「それより〇〇のサクラ弾いてよ」と酔っ払いにからまれることもしばしばだ。
俺は仕方なく、別の誰かの「サクラ」を弾く。
あるときは男性アーチスト、あるときは女性アーチストの「サクラ」を。それにしてもどうして「サクラ」という曲は、これほどまでに名曲が多いのだろう。作られても作られても、また新たに生まれる「サクラ」。これほどまでに日本人の心を捉える歌が、他にあるだろうか。
≪エクシオ≫のお見合いパーティーで、弾き語りをしていることを話す機会は少ない。
「じゃあ聴きに行くね」という言葉が、本当は怖いのかもしれない。こんなに人前で演奏しているくせに、やっぱり知った人、それも自分が興味のある人に聴かれるのは、恐怖心がある。
こんな気持ちもすべて、サクラの歌詞の中に込めてみる。
エクシオのパーティーに参加した後は、いつもよりさらにクリエイティブな気持ちになれる俺。その勢いに任せて弦に指を走らせる。
俺の部屋にパソコンはない。
使うのはいつもネットカフェ。本当はパソコンがあれば、曲作りももっと合理的に進むのかもしれない。でも俺はあえてそういったものを使わない。エレキではない、アコースティックギターを使うからには、できるだけアナログのままでいた方がいい。俺はそう信じている。俺の歌を聴く人にも、そのあたりを感じて欲しい。
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2010/05/21
地方の小都市で、ギター片手に歌作りをする俺。ただいま婚活中。
自作のCDはなかなか売れない。エクシオに行くも、俺の方もなかなか売れない。現実は厳しい。でもそんなもんだ。
簡単に叶う夢なら、誰も追いかけたりはしないだろう。
俺の夢は、才能があるからといって誰でも叶えられるぐらい単純なものではない。みんなが時間をかけて追いかける・・・だからこそ価値があるんだ。
エクシオの婚活も同じことだと思う。
一回のお見合いパーティーで、カップルになって結婚するというケースはむしろ稀だろう。何度も失敗を繰り返し、そして何かを学ぶ。その繰り返しの中に、まるで砂金を見つけるように少しずつ集めていく何かがあるはずだ。
サクラの季節は終わりを迎えたが、俺の夢はまだまだ終わらない。
曲作りは順調だ。そしてエクシオの婚活も、順調に進んでいる。まだカップルになった経験はないが、これも想定内だ。
誰もいなくなった商店街で、ギターをかき鳴らし大声を上げていると、少しだけストレスを発散できているような気がする。昼間はサラリーマン、そして夜はミュージシャン。目の前のギターケースにお金を入れてくれる人はめったにいないが、別に期待はしていない。芸術というものは、ときに理解されがたいもの。死んでから売れたアーティストだってたくさんいる。
エクシオのパーティーで、音楽のことを話題にすることはめったにない。やっぱり誤解はされたくないという思いがどこかにあるのかもしれない。
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2010/04/17
地方の小都市で婚活している俺。趣味はギターの弾語り。
最近、作詞作曲にも力を入れようとしている。まず作りたいのは「サクラ」という曲。サクラに関する曲が、多くのアーチストによってすでに歌われてきていることは承知の上だ。それでも「サクラ」を作りたいのは、やっぱり俺には俺のサクラがあって、それは誰にも真似ができないと信じているからだ。
エクシオの婚活は、順調に進んでいる。
夢を叶えるのは一人では困難だ。しかも俺が抱えているような大きな夢を実現するためには、絶対に信頼できる将来の伴侶が欲しい。
かといって合コンするような相手も友達もいない俺だけど、エクシオの合コンなら心配無用らしい。さっそくネットカフェのインターネットで申し込みをする。
今夜も、誰もいなくなった商店街のアーケードで、一人ギターケースを前に置いて弾語りをする。自作のCDもネットカフェで作った。粗末なCDではあるけれど、将来は絶対価値が上がる。そう信じて今日もギター片手に声を張り上げる。
誰もいないアーケードは、響きも上々だ。
ひとしきり歌う人がいなくなってからの時間帯なので、さらに響きがいい。でもこの時間に歩くのは、猫か酔っ払いぐらいだ。それでもいい。俺の歌が誰かの心に少しでも引っかかってくれるなら。
正直寂しくなる夜も、ないではない。
ここにしゃがみこんで、膝をかかえて俺の歌に聴き入ってくれるような子がいたら・・・そんな妄想も酔っ払いの怒号にかき消される。
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2010/03/24
ある地方の小都市在住、エクシオで婚活している俺。趣味は弾語り。
今までコピーばかりしてきた俺だけど、これから作詞作曲を始めようとしている。曲の題名はもう決まっている。それは「サクラ」。
サクラに関する曲はありとあらゆる有名なシンガーソングライターが歌っている。森山直太朗、福山雅治 、ケツメイシ、河口恭吾、コブクロ、宇多田ヒカル、大塚愛、 中島美嘉、aiko ・・・。それでもサクラという曲がまた新たに歌われていく背景には、やっぱりサクラが日本人にとってなくてはならない存在だからだろう。
サクラの季節だからか、エクシオの結婚相談所でもかかっていたサクラ。
サクラという曲にはいい曲が多いのはなぜだろう。だから俺も、一生のうちに一つはサクラの曲を作っておきたいと思っている。
今はサラリーマンをしながら、誰もいなくなった商店街のアーケードで、ギター片手に歌を歌っている俺だけど、もしも売れたら、絶対にビッグになりたいと思っている。そしてまたこの地方の片田舎に、戻ってきて、故郷に錦を飾る。それが俺の夢なんだ。
そのためにはどうしても、ここで将来の嫁を見つけておきたい。
有名になったらきっと、女なんかいくらでも寄ってくるんだろうとは思う。だからこそ、無名の今のうちに見つけておきたいんだ。
エクシオで見つけたい。一緒に夢を語れる人を。ギターと歌ぐらいしかとりえのない俺だけど、こんな俺でよかったら・・・。
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